【詳細説明】
2020年1月に突如現れた新型コロナウィルスは、瞬く間に世界中に広がり、各地で深刻な医療崩壊を引き起こした。日本の地方病院である有原病院も例外ではない。院内クラスターへの恐れから一斉に「受診控え」が起こったのだ。院長・有原修平と事務長の倉嶋亮介はまたもや経営危機に頭を悩ませていた。しかし、そんな苦境を救ったのは、意外にも3年前に始めた小さな「有原みなみ病院」だったのだ。当時の有原病院は、高齢の軽症患者が多く、まるで老人用の療養施設と化していた。医療点数の高いオペが激減し、収益が上がらずに慢性的な赤字体質に陥っていた。そこで一計を案じた修平は、地域初の退院支援・在宅医療支援の機能を持つ新病院を設立する事を決断する。資金難の中、そのアイデアはあまりに無謀で、当然ながら反対意見が続出したのだが、それが未来に「希望の光」を灯すことになる。何とかコロナ禍を乗り切った有原病院だったが、ひと息つく間もなく、次の災難が降りかかる。政府が推進する「病院の再編統合」だ。同じ医療圏内に大規模病院の新設が発表され、小さな病院は潰れてもかまわないと強引な政策が進められる。修平は待ったをかけ、必死で抵抗するのだが。